雛のつるし飾りの風習は、江戸時代後期の頃を発端に 『これは稲取独自の伝統の飾りもので、その起源は さだかではありませんが、明治生まれのおばあさんが こどもの頃からつるし飾りがあった 』と言いますから、 その歴史はゆうに百年以上を超えるものと思われます。 子や孫の成長を願うやさしい暖かい心を込めた稲取独自の 風習で、女の子のすこやかな成長を願って手作りされ、 意味や決まりごとを守りながら、この町独自の和裁細工 として現在まで受け継がれて来ました。 親心をどうぞご覧くださいませ。
【花】 花のようにかわいらしく
【おかたぐろ】 女の子の遊びの一つ。 おかたは高貴な人の意味
【三番叟】 祝い事につきもの。 稲取の子供三番叟。
【桃】 女性の象徴。女の子の厄払い、多産と 薬用効果、延命長寿を願います。
【柿】 栄養素が高く滋養がある。長寿の木、 厄払いの効もあるとされています。
【うさぎ】 赤い目のうさぎは呪力があるといわれ、 神様のお遣いともいわれています。
【巾着】 お金がたまるように。 お金に困らないように。
【座布団】 座布団のまわりで赤ちゃんが、 這って遊び上手く座れるように。
【這い子人形】 這えば立て、立てば歩めの親心。 こどものすこやかな成長を願う。
【とうがらし】 虫よけの効果があることから、 娘に悪い虫がつかないようにと。